キャリアアップ助成金(正社員化コース)とは?中小企業が非正規社員を正社員化する際に知っておきたい基本
「長く働いてくれている契約社員やパートを正社員にしたいが、コストが気になる」という声は、中小企業の人事担当者からよく聞かれます。こうした転換を後押しする制度が、厚生労働省の「キャリアアップ助成金」の中でも代表的なコースである「正社員化コース」です。有期雇用労働者などを正社員へ転換した企業に対して助成金が支給される仕組みで、活用することで転換にかかる負担を抑えながら人材の定着を図れます。
正社員化コースの基本的な仕組み
有期雇用労働者・パートタイム労働者・派遣労働者などを、就業規則等の規定に基づいて正社員(無期雇用フルタイム労働者)へ転換した事業主に対して助成金が支給される制度です。対象となる労働者には、転換前に一定期間雇用されていることなど、いくつかの要件があります。転換後は一定期間の賃金支払い状況などを確認したうえで支給申請を行う流れになります。
対象となる転換のパターン
- 有期雇用労働者 → 正規雇用労働者
- 有期雇用労働者 → 無期雇用労働者
- 無期雇用労働者 → 正規雇用労働者
いずれのパターンも、就業規則や労働協約に転換制度を明記し、対象者が要件を満たしたうえで転換することが前提になります。
2026年度(令和8年度)の主な変更点
2026年度は、有期雇用労働者等を正社員へ転換したことを自社のウェブサイトや「しょくばらぼ」などで公表することで加算を受けられる「情報公表加算」が新設されています。中小企業の場合、正社員化コース本体の支給額に加えて、この加算を組み合わせることで受給額を上乗せできる仕組みです。支給額や加算額は年度ごとの制度改正で変わることがあるため、申請時点の最新情報を厚生労働省の案内で確認する必要があります。
申請までに準備しておきたいこと
| 準備項目 | 内容 |
|---|---|
| 就業規則の整備 | 正社員転換の制度を規定として明文化しているか |
| 対象者の要件確認 | 雇用期間・転換のタイミングなど支給要件を満たしているか |
| 転換前後の賃金台帳 | 転換に伴う賃金の変更が記録として残っているか |
| 申請スケジュール | 転換の実施から支給申請までの期間・提出書類を把握しているか |
中小企業にとっての活用メリット
- 正社員転換にかかる人件費増の負担を助成金で一部補える
- 転換制度を明文化すること自体が、既存社員の定着・モチベーション向上につながる
- 「正社員登用実績あり」は採用広報でもそのまま使える情報になる
- 情報公表加算の対象になることで、転換の取り組みを対外的にも発信しやすくなる
申請には就業規則の整備状況や対象者ごとの雇用期間・賃金台帳など、複数の書類を正確に管理する必要があります。従業員データや勤怠記録を一元管理し、申請書類の作成にかかる手間を減らす取り組みは、Flex AIWAYが紹介している業務自動化の事例でも取り上げられています。
まとめ
キャリアアップ助成金の正社員化コースは、契約社員やパートを正社員へ転換する中小企業を後押しする制度です。2026年度は情報公表加算が新設されるなど制度が見直されており、支給額や要件は年度ごとに変わる可能性があります。申請を検討する際は、就業規則の整備状況を確認したうえで、厚生労働省の最新の案内にあたることが実務上のポイントになります。AIWAY Groupは、CrossLinkを含むグループ各社を通じて、中小企業の採用・労務にまつわる実務情報を発信しています。