会社の定期健康診断の基本|中小企業の実施義務と費用負担
会社には、従業員の健康を守るために健康診断を受けさせる義務があります。規模の大小にかかわらず対象となるため、中小企業でも欠かせない労務管理のひとつです。この記事では、定期健康診断の基本と、実施にあたって押さえておきたいポイントを整理します。
会社に課された健康診断の義務
労働安全衛生法では、事業者が労働者に対して医師による健康診断を行うことが定められています。従業員数の多い少ないにかかわらず義務であり、一人でも対象となる従業員を雇っていれば実施が必要です。代表的なものが、雇い入れ時に行う「雇入時健康診断」と、毎年定期的に行う「定期健康診断」です。
対象となる従業員
対象は正社員だけではありません。一定の条件を満たすパート・アルバイトなども含まれます。
- 正社員:原則として対象
- パート・アルバイト:契約期間や労働時間が一定の基準を満たす場合は対象
- 判断の目安:おおむね、契約が一定以上続く見込みで、週の労働時間が通常の労働者の4分の3以上であるかどうかで考える
短時間勤務の従業員が対象になるかどうかは判断に迷いやすいため、契約内容や労働時間をもとに確認しておくと安心です。
実施の頻度と主な項目
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 雇入時健康診断 | 従業員を雇い入れる際に実施する |
| 定期健康診断 | 原則として1年以内ごとに1回実施する |
| 特定業務従事者 | 深夜業など一定の業務に就く人は頻度が異なる場合がある |
定期健康診断では、身長・体重、血圧、血液検査、視力・聴力など、法令で定められた項目を確認します。年齢や状況によって一部項目が省略できる場合もあります。
費用は誰が負担するのか
法律で会社に実施が義務づけられている健康診断の費用は、原則として会社が負担すると考えられています。受診にかかる時間の賃金の扱いについては、労使で話し合って決めることが望ましいとされていますが、円滑な受診のためには賃金を支払う運用が一般的です。従業員が受けやすい環境を整えることが、受診率の向上につながります。
実施後に会社がすべきこと
健康診断は「受けさせて終わり」ではありません。実施後の対応まで含めて義務と考えることが大切です。
- 結果を記録した健康診断個人票を作成し、一定期間保存する
- 診断結果は本人へ通知する
- 所見があった従業員については、必要に応じて医師の意見を聴き、就業上の措置を検討する
- 常時50人以上の事業場では、定期健康診断の結果を所轄の労働基準監督署へ報告する
結果を踏まえて働き方を見直すことが、従業員の健康維持と生産性の両立につながります。
受診率を高める工夫
義務だからと案内するだけでは、忙しさを理由に受診が後回しになりがちです。受診しやすい環境づくりが、結果的に会社のリスク管理にもつながります。
- 受診期間に幅を持たせ、業務の合間に行きやすいスケジュールにする
- 近隣の医療機関や巡回健診など、選びやすい受診方法を用意する
- 未受診者には早めに個別で声をかけ、受診を促す
- 健康診断の目的が「働きやすさを守るためのもの」であることを丁寧に伝える
小さな会社ほど一人ひとりの体調が業務に直結するため、受診を後押しする姿勢が定着や信頼にもつながります。
まとめ
定期健康診断は、従業員数にかかわらず会社に課された義務であり、対象となるパート・アルバイトも含めて漏れなく実施することが求められます。費用は原則として会社が負担し、実施後は記録の保存や結果に応じた措置まで行うことが大切です。こうした健康管理や労務手続きにかかる事務負担を軽くする工夫は、Flex AIWAYで紹介している業務自動化の事例もあわせて参考になります。