労働条件明示ルールの改正ポイント|中小企業が求人票・雇用契約で確認すべきこと
労働基準法関連の改正により、労働契約の締結時・更新時に明示すべき労働条件の項目が追加されています。「これまでの雇用契約書のひな形をそのまま使っている」という中小企業は、記載事項に不足がないか一度確認しておくことが大切です。この記事では、追加された明示事項と、実務で対応が必要なポイントを整理します。
追加された主な明示事項
これまでの労働条件明示に加えて、次のような項目の明示が求められています。
| 明示事項 | 対象となる場面 | 内容 |
|---|---|---|
| 就業場所・業務の変更の範囲 | すべての労働契約の締結時・更新時 | 将来的な配置転換等によって変わりうる就業場所・業務の範囲をあらかじめ明示する |
| 更新上限の有無と内容 | 有期労働契約の締結時・更新時 | 契約の更新回数や通算契約期間に上限があるかどうかを明示する |
| 無期転換申込機会 | 無期転換申込権が発生する契約更新時 | 無期労働契約への転換を申し込むことができる旨を明示する |
| 無期転換後の労働条件 | 同上 | 転換後の労働条件(賃金・就業場所等)を明示する |
これらは全て「明示すること」自体が義務であり、内容そのものを変更することを求めるものではありません。まずは自社の雇用契約書・労働条件通知書のひな形に、該当項目の記載欄があるかを確認することが出発点になります。
中小企業が確認しておきたいポイント
- 雇用契約書・労働条件通知書のひな形を見直す:就業場所・業務の変更の範囲を記載する欄があるか確認する
- 有期契約の更新上限の有無を整理する:契約社員・パート従業員について、更新上限を設けているかどうかを社内で改めて確認する
- 更新上限を新たに設ける・引き下げる場合の説明:既に雇用している従業員に対して更新上限を新設・短縮する場合は、その理由をあらかじめ説明することが望ましいとされている
- 無期転換のタイミングを把握する:契約更新を重ねている従業員について、無期転換申込権がいつ発生するかを個別に管理する
- 求人票との整合性を確認する:求人票に記載した就業場所・業務内容と、実際の雇用契約書の記載にずれがないか確認する
特に複数の契約社員・パート従業員を抱える職場では、契約更新のたびに個別対応が発生するため、雛形や管理表をあらかじめ整えておくと運用の負担が軽くなります。
対応が遅れやすい理由
- 雇用契約書のひな形を長年更新しておらず、追加項目の存在に気づいていない
- 有期契約の更新業務が現場担当者ごとの判断に任されており、社内で統一されたルールがない
- 無期転換のタイミングを従業員ごとに管理できておらず、申込機会の明示が漏れてしまう
これらは制度を知らないことよりも、既存のひな形や運用フローを見直す機会がないまま日々の契約更新をこなしていることが原因になりやすい点です。就業規則や雇用契約書を見直すタイミングで、あわせて確認しておくことをおすすめします。
契約更新の管理や労働条件通知書の作成をシステムで効率化する取り組みについては、Flex AIWAYが紹介している業務自動化の事例も参考になります。
まとめ
労働条件明示ルールの改正により、就業場所・業務の変更範囲や有期契約の更新上限、無期転換に関する明示事項が追加されています。既存の雇用契約書・労働条件通知書のひな形を見直し、有期契約の更新管理を整理しておくことが、実務対応の第一歩になります。CrossLinkはAIWAY Groupの一員として、中小企業の採用・労務にまつわる実務情報を発信しています。